小百合の場合（小説）その３２
最初から読む→第一章「小百合の場合その１」
途中から読む→第二章「小百合の場合その１１」
途中から読む→第三章「小百合の場合その２２」
途中から読む→第四章「小百合の場合その３０」
ミュウちゃん一家の決断と行動力に感服するよ。
電話で妊娠報告から翌日すぐ会いに来るとか・・
よく考えたら相手の都合とか考えないタイプ？
どんな感じのご家族なの？
ミュウちゃん曰く。
＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝
お母さんは、凄くお父さんＬｏｖeな人。
お父さんの考えた事は全て受け入れる。
お父さんは「思いついた時が最良の時」って人。
決断・行動力は誰も止められない。
お父さん中心の家庭。
お父さんの判断は強引だけど最後までしっかり行動するから、いつも答えを出してる。
一応、地元で不動産会社をしてる。
どんなに苦しい時でも絶対投げない。
諦めずに最後までやり遂げる。
会社もそうやって守ってきた。
尊敬できる人。
少しだけ問題もあるんだけど・・
＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝
ふ～ん。
結構しっかりした感じのお父さんなのね。
電話の様子を見てても聞き上手。
話し上手みたいだし。
妊娠宣言じゃなかったら会ってみたい人ね。
ところで少し問題って？
ミュウ
「お父さんは凄く女癖が悪いんです」
「私の知ってるだけでも３回浮気してます」
「もう５０歳だから落ち着いてるとは思うんですけど」
へぇ～。
完璧な人っていないもんね。
お痛するところは人間的ね。
少し会ってみたい気になってくる。
明日ねェ・・
とりあえず部屋の掃除は私が担当。
妊婦さんは無理せずゆっくりしてて。
男子君は買い物とか力仕事とか担当。
明日が貴方の運命の日だから協力してね(^-^)
ミュウちゃんのご両親を迎える準備をして、夜はシュミレーション。
決戦は明日。
次の日。
ピンポ～ン
来た。
いよいよ運命の相手。
ご両親。
３名で玄関口までお迎え。
ドアを開けてご挨拶を交えた両親は穏和な感じの良い夫婦。
ご両親
「初めまして、ミュウの父母です」
「君が男子君だね」
「良い感じの青年だな」
「安心した」
お父さん
「貴女が小百合さんだね」
「おお・・ミュウから話は聞いたが凄くお綺麗な方ですね」
「お姉さんの様に慕っていると言ってました」
「一緒に居てくれて本当にありがとうございます」
あれ・・
気のせいかお父さんが私のつま先から頭まで舐めるように見てる。
ミュウちゃんのお友達も全て見定めていたらしいから私も観察されてるのかな。
もしかして下心なんて無いよね。
深く考えないでおこう。
ミュウちゃん一家と男子君と私。
円卓を囲みお茶を飲みながらトークタイム。
和やかな雰囲気。
怒られるかもなんて考えすぎだったのか。
優しい笑顔のご両親に全員楽しく過ごせてる。
そしておもむろにお父さんの本音がこぼれる。
お父さん
「男子君、この度は本当にありがとう」
「本音を言うと、もうミュウが男の人とお付き合いできるとは思ってもいなかった」
「本当にありがとう」
「小さい時の事件以降、私たち夫婦はミュウを厳格に育てた」
「その性で彼女は他人と円満なコミュニケーションが築けない子になって」
「彼氏どころか女友達も少ない寂しい子になってしまった」
「一生結婚できないと思ってた」
ご両親は目に涙を浮かべながら、とうとうと話し続ける。
お父さん
「ミュウの事を大切に思ってくれている男性が現れて、正直ホッとしている」
「君には感謝しかない」
良い流れ。
これでミュウちゃん男子君の結婚確定ね。
やったね。
お二人さんおめでとう。
お父さん
「ただ・・結婚するのは構わないが・・幾つか条件がある」
えっ・・えっ・・えっ・・
やっぱり・・
タダでは上手くいかないのね。
お父さん
「まず最初に、ミュウは大事な一人娘だ」
「君には是非私達の地元で暮らして欲しい」
「私達の目の届く所に居て欲しい」
それは男子君のご家族の都合も有ると思うけど、出来ない事ではないよね。
うんうん。
お父さん
「今は派遣で働いてるんだよね」
「私の会社で一緒に頑張ってほしい」
「必要な事は全て教えるし、資格も取らせる」
「まだ若いから全然大丈夫」
「一緒に会社を大きくして、ミュウを幸せにして欲しい」
良い話やぁ～。
お父さん、なんだか本当に良い人。
お父さん
「将来なんだが、私が死んだ後はお母さんを見てあげて欲しい」
「女はか弱い」
「俺が死んだ後、守ってくれる人が居れば安心して逝ける」
本当に、本当に良い人！
死んで後も愛妻の心配なんて・・
全ての男に見習って欲しいわ。
お父さん
「そして最後だ」
「結納金は１０００万」
えええ・・
高すぎ！！！
そんなに要るの？
私の時だって１００万が相場で、形だけで良いってのも最近の流れなのに。
しかも彼、派遣の不安定な状態なのに。
お父さん
「びっくりしただろうが私の立場で相場が１０００万」
「今の君には難しいだろ」
「どうだ、好きな人の為に１０００万だ！」
「用意できるか？」
えええ！？！？！？
お母さん
「ちょっちょっちょっ・・ちょっと・・」
お父さん
「うるさい！ お前は黙ってろ」
用意できるかって・・
そりゃ努力はするけど高すぎ！
無理でしょ男子君。
固まってる男子君。
たぶん男を試されてると思うんだけど。
ここは躊躇せず「用意します」と言っとけば良いんだ。
後は何とかなると思う。
何とかなるはず・・
ミュウ
「お父さん、無理なの承知で言ってるでしょ！」
「そんなの酷すぎる」
お父さん
「皆黙ってろ」
「１０００万も用意できない様じゃ男として終わってる」
「借りてでも何でも良いぞ」
「それが用意できない様ならこの話は無しだ！」
「期限は一週間後だ！」
なんだ、なんだ。
さっきまでちょー良い人だと思ってたのに。
裏切られた感じ。
なんだこいつ。
最初から結婚認めるつもりなんて無かったんだろ。
笑顔で話を引きだして、最後に無理な条件出してくる。
極悪非道。
悪魔みたいな奴だ！
続く。
途中から読む→第二章「小百合の場合その１１」
途中から読む→第三章「小百合の場合その２２」
途中から読む→第四章「小百合の場合その３０」
ミュウちゃん一家の決断と行動力に感服するよ。
電話で妊娠報告から翌日すぐ会いに来るとか・・
よく考えたら相手の都合とか考えないタイプ？
どんな感じのご家族なの？
ミュウちゃん曰く。
＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝
お母さんは、凄くお父さんＬｏｖeな人。
お父さんの考えた事は全て受け入れる。
お父さんは「思いついた時が最良の時」って人。
決断・行動力は誰も止められない。
お父さん中心の家庭。
お父さんの判断は強引だけど最後までしっかり行動するから、いつも答えを出してる。
一応、地元で不動産会社をしてる。
どんなに苦しい時でも絶対投げない。
諦めずに最後までやり遂げる。
会社もそうやって守ってきた。
尊敬できる人。
少しだけ問題もあるんだけど・・
＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝
ふ～ん。
結構しっかりした感じのお父さんなのね。
電話の様子を見てても聞き上手。
話し上手みたいだし。
妊娠宣言じゃなかったら会ってみたい人ね。
ところで少し問題って？
ミュウ
「お父さんは凄く女癖が悪いんです」
「私の知ってるだけでも３回浮気してます」
「もう５０歳だから落ち着いてるとは思うんですけど」
へぇ～。
完璧な人っていないもんね。
お痛するところは人間的ね。
少し会ってみたい気になってくる。
明日ねェ・・
とりあえず部屋の掃除は私が担当。
妊婦さんは無理せずゆっくりしてて。
男子君は買い物とか力仕事とか担当。
明日が貴方の運命の日だから協力してね(^-^)
ミュウちゃんのご両親を迎える準備をして、夜はシュミレーション。
決戦は明日。
次の日。
ピンポ～ン
来た。
いよいよ運命の相手。
ご両親。
３名で玄関口までお迎え。
ドアを開けてご挨拶を交えた両親は穏和な感じの良い夫婦。
ご両親
「初めまして、ミュウの父母です」
「君が男子君だね」
「良い感じの青年だな」
「安心した」
お父さん
「貴女が小百合さんだね」
「おお・・ミュウから話は聞いたが凄くお綺麗な方ですね」
「お姉さんの様に慕っていると言ってました」
「一緒に居てくれて本当にありがとうございます」
あれ・・
気のせいかお父さんが私のつま先から頭まで舐めるように見てる。
ミュウちゃんのお友達も全て見定めていたらしいから私も観察されてるのかな。
もしかして下心なんて無いよね。
深く考えないでおこう。
ミュウちゃん一家と男子君と私。
円卓を囲みお茶を飲みながらトークタイム。
和やかな雰囲気。
怒られるかもなんて考えすぎだったのか。
優しい笑顔のご両親に全員楽しく過ごせてる。
そしておもむろにお父さんの本音がこぼれる。
お父さん
「男子君、この度は本当にありがとう」
「本音を言うと、もうミュウが男の人とお付き合いできるとは思ってもいなかった」
「本当にありがとう」
「小さい時の事件以降、私たち夫婦はミュウを厳格に育てた」
「その性で彼女は他人と円満なコミュニケーションが築けない子になって」
「彼氏どころか女友達も少ない寂しい子になってしまった」
「一生結婚できないと思ってた」
ご両親は目に涙を浮かべながら、とうとうと話し続ける。
お父さん
「ミュウの事を大切に思ってくれている男性が現れて、正直ホッとしている」
「君には感謝しかない」
良い流れ。
これでミュウちゃん男子君の結婚確定ね。
やったね。
お二人さんおめでとう。
お父さん
「ただ・・結婚するのは構わないが・・幾つか条件がある」
えっ・・えっ・・えっ・・
やっぱり・・
タダでは上手くいかないのね。
お父さん
「まず最初に、ミュウは大事な一人娘だ」
「君には是非私達の地元で暮らして欲しい」
「私達の目の届く所に居て欲しい」
それは男子君のご家族の都合も有ると思うけど、出来ない事ではないよね。
うんうん。
お父さん
「今は派遣で働いてるんだよね」
「私の会社で一緒に頑張ってほしい」
「必要な事は全て教えるし、資格も取らせる」
「まだ若いから全然大丈夫」
「一緒に会社を大きくして、ミュウを幸せにして欲しい」
良い話やぁ～。
お父さん、なんだか本当に良い人。
お父さん
「将来なんだが、私が死んだ後はお母さんを見てあげて欲しい」
「女はか弱い」
「俺が死んだ後、守ってくれる人が居れば安心して逝ける」
本当に、本当に良い人！
死んで後も愛妻の心配なんて・・
全ての男に見習って欲しいわ。
お父さん
「そして最後だ」
「結納金は１０００万」
えええ・・
高すぎ！！！
そんなに要るの？
私の時だって１００万が相場で、形だけで良いってのも最近の流れなのに。
しかも彼、派遣の不安定な状態なのに。
お父さん
「びっくりしただろうが私の立場で相場が１０００万」
「今の君には難しいだろ」
「どうだ、好きな人の為に１０００万だ！」
「用意できるか？」
えええ！？！？！？
お母さん
「ちょっちょっちょっ・・ちょっと・・」
お父さん
「うるさい！ お前は黙ってろ」
用意できるかって・・
そりゃ努力はするけど高すぎ！
無理でしょ男子君。
固まってる男子君。
たぶん男を試されてると思うんだけど。
ここは躊躇せず「用意します」と言っとけば良いんだ。
後は何とかなると思う。
何とかなるはず・・
ミュウ
「お父さん、無理なの承知で言ってるでしょ！」
「そんなの酷すぎる」
お父さん
「皆黙ってろ」
「１０００万も用意できない様じゃ男として終わってる」
「借りてでも何でも良いぞ」
「それが用意できない様ならこの話は無しだ！」
「期限は一週間後だ！」
なんだ、なんだ。
さっきまでちょー良い人だと思ってたのに。
裏切られた感じ。
なんだこいつ。
最初から結婚認めるつもりなんて無かったんだろ。
笑顔で話を引きだして、最後に無理な条件出してくる。
極悪非道。
悪魔みたいな奴だ！
続く。
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