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小百合の場合(小説)その31

最初から読む→第一章「小百合の場合その1」

途中から読む→第二章「小百合の場合その11」

途中から読む→第三章「小百合の場合その22」


ミュウちゃんの検査薬結果→「おめでとう」
 嬉しそうな・・切なそうな彼女の顔。

彼女と産婦人科に一緒に。
待合室で彼女が診察から出てくるのを待ってる。
診察室から出てきた彼女は複雑な顔してる。

結果は妊娠。

女にとって妊娠は自分が女として生きてきた証。
これから女として生きていく事の大きな意味がある。
でも考えるよね。
現実・・

SEXは嬉しくて楽しくて・・
その時は許してしまうけど・・
最後は自分自身の責任になっちゃう。

避妊は相手次第みたいなところあって。
言葉巧みに許してしまう。

妊娠しちゃったら見えない未来に押しつぶされて・・
どうしようって・・

女って結局損な役だよね。

ミュウちゃんの妊娠に同性として悲哀を共感するが、相手の男子君は受け入れる気。
結婚したいみたい。

普通なら「結婚しちゃいなよ」って軽く言ってるかも。
しかし一緒に生活してる私は彼女の不安な心境も感じる。
派遣の彼。
厳格そうなご両親。
軽々しく発言は出来ない。

彼女と一緒の帰り道。
一緒に立ち寄った書店。
何気なく流して見てる店内。
ふっ・・っと彼女の足が止まる。
見てるのはマタニティー関連本。

本の表紙に写る幸せそうな笑顔のモデルさん達。
女ならそのモデルさんの様に笑顔に成りたいと思う。

今の彼女の不安な気持ちを感じてしまう。

私は思い切ってそのマタニティー本を手にしてレジへ。
???って顔の彼女をしり目にしてお会計を済ます。

 私
 「これは私が読むから」

みえみえなウソに反論できない彼女。
複雑な表情。

こんな日は早く部屋に連れ帰って。
ゆっくりお茶でもしながら、まったりと幸せな時間を作ってあげたい。

足取り遅い彼女の手を引き、彼氏の待つ部屋へ連れ帰った。


部屋の鍵を開け、ドアを開けたら彼女の背中を押して部屋の中に押し入れる。










パァーン! パァーン! パァーン!

オメデト♪(゚∀゚ノノ"☆(゚д゚ノノ"☆(゚∀゚ノノ"☆チャチャチャ
オメデト♪ (○´・∀・)o<・。:*゚;+. パ-ン!!

・*・゚゚゚゚・*・゚゚゚゚・*☆・*
┏‥┓   ∧✿∧ 
┃妊├┓ (。・ω・。)
┗┬娠├┳━〇━〇━┓
 ┗┬❤┃ありがとう┃
  ┗‥.┻‥.━‥..┛
☆。。。。・*・。。。。・*・。。。。☆
♡o。+..:*♡o。+..:*♡o。+..:*

まってたのは男子君。
クリスマスの三角帽子を被ってクラッカーを連発させて。

びっくりしてる彼女。

はっはっはっ・・+゚。*(*´∀`*)*。゚+

ひっかかった。
ドッキリ成功。

もちろん妊娠の結果は私から彼に連絡済み。
この段取りも全て二人で共謀。

そして、ここから男子君の人生最大のイベント。

 男子
 「ミュウちゃん、ありがとう!」
 「妊娠してくれてありがとう!!」
 「こんな俺だけど・・」
 「しっかりとた仕事も見つけて」
 「きっと幸せにしてあげるから」
 「だから・・」
 「けっ・・けっ・・けっ・・」
 「けぇーっこーっっぅぅぅ・・」

じれったいなぁ!!
男子君がんばれ!!

 男子
 「けっ・・けっ・・けっ・・」
 「結婚してください!」(//o△o//)

やったーーー!!!!

どうだミュウちゃん!
男子君の気持ち伝わったか?
少しは安心できたか!

サプライズにうれし恥ずかしの彼女。

 ミュウ
 「本当に私でいいですか・・?」

プルプルうれし泣きしそうな彼女を、優しくハグする彼。

 男子
 「もちろん」
 「愛してます」
 「これからも一緒に居て下さい」

彼の胸の中でコクリと頷く彼女。

いやぁ~良かった良かった☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆
もう辞めるとか奪胎とか感がえるんじゃないよ。
たとえご両親が反対しても、彼がいれば安心だよ。
私も最大限協力する。

プルプルプル・・ ((;▽;))
震えてる彼女。
なかしちゃったかな。

あっ、忘れてた。
はいっ、プレゼント。
さっき買ったマタニティー本を彼女に手渡す。

 私
 「これが最初のプレゼント」
 「欲しそうだったからね」
 「安心して、しっかり読むんだぞ」(*^_^*)

嬉しそうだが半泣きの彼女。
今度は私の胸に甘えてくる。

よしよし(*^_^*)
そのまま3人で幸せいっぱいのハグ。

本当に良かった。


幸せサプライズを終えて、少しティータイム。
ゆっくりまどろんで・・早いけど子供の名前とか話しちゃって。
そしておもむろに彼女から決意の声。

 ミュウ
 「この事、両親に伝えて良いよね」

もちろん。
絶対祝福してくれるって。
自信は無いけどなんとなくそんな感じする。
なんとなく・・

しかし彼女の話しからその思いは打ち砕かれていく。

彼女のご両親は厳格そのものらしい。
小学生の頃の誘拐レイプ事件から彼女に対する対応が変わった。
学校が終わったら真っすぐ帰宅。
友達の家には行かせてもらえない。
もし友達と遊びたかったら、家に呼ぶの。
でも男の子は絶対禁止。
女の子でも両親が見定める。
友達ですら両親に決められてたの。
だから一人暮らしするまでお友達と外食すらした事無かった。
年頃になると周囲はおしゃれして、恋愛して。
だんだん皆と話が合わなくなって、私は孤立。
両親はとにかく私を管理できる範囲から出したくなかったの。
私も事件の後、両親に申し訳ない気がして良い子を続けてた。
唯一私の楽しみ。
それがパソコン。
自分の部屋でパソコン使って外とコミュして。
その時、大人のエッチなHPも知って。
自分もブログする様になって。
ネットの中の自分と、現実の自分を使い分けてた。
苦しかった・・
小百合さんと彼に出会えて、私決心したの。
本当の自分を見つけるって。
今はとても幸せです。
でも両親はどう思うんだろう・・
やっぱり少し怖いです。

ご両親の気持ちもわかる気もする。

どうしたらいい・・
その時あの言葉を思いついた。
「今ここに起きてる現実は、君が過去に決断した結果」
「全てを受け入れて楽になる」
無意識の意。
受け入れるだけ。

 私
 「ミュウちゃん」
 「過去の事で心配するより未来に向けて行動しよ」
 「現実を受け入れたら、未来はきっと良くする事ができる」
 「心配や不安に押しつぶされるより」
 「決意を決めて前に進も」
 「私も最大限協力する」
 「貴女が決意したら絶対に大丈夫」

励ましになったかな・・
まんざらでもないみたい。
納得した表情の彼女。
それじゃ、気が変わらない内に、ご両親に電話しちゃいなよ。
私たち、側にいてあげるから。

彼女に電話を取らせ、ご両親に連絡させた。

 pulululu・・カチャッ

 ミュウ
 「もしもし、お母さん、私だけど」

お母さんと少しの時間近況報告。

 ミュウ
 「お母さん、実は今日、報告したい事があるの」

きたきた。
緊張の瞬間。

 ミュウ
 「実は私・・できちゃった」
 「お腹の中に赤ちゃんできちゃった❤」

 お母さん
 「!!!???・・・」
 「(´ノ・ω・`)ノ・‥…━━━★゚+.・‥…━━━★゚+.・‥…」

電話の向こうでテンパってるみたい。
なんか喚いてる。
黙ってるミュウちゃん。
暫くして電話の相手が変わったみたい。

 ミュウ
 「あっ、お父さん・・」

なんか雲行き怪しくなってきた・・
このまま怒られちゃうのか・・
心配だぁ・・

少しの時間、彼女とお父さんの会話が続く。
うん、うん、とだけ頷く彼女。
そして、「分かった、電話変わるね」と男子君に差し出した。

ええぇぇぇ・・(。Д゚; 三 ;゚Д゚)
驚き、慌てふためく男子君。
ダメだ!
落ち着け!
落ち着くんだ!!
深呼吸しろ。

受話器を受け取り大きく深呼吸。
祈りを込めて見つめるミュウちゃん。

男子君開口一言。

 男子
 「ひゃ・・ひゃ・・ひゃじめまして・・」

ダメだー ((((;゚Д゚)))))))
緊張全開だぁ・・
どうしよう・・

そしたら電話口の向こうから意外な反応が

 お父さん
 「ぐわぁっはっはっ・・・」。゚(゚ノ∀`゚)゚。 gahaha・・
 「そう緊張するな」
 「初めまして、私が彼女の父です」

あれれ・・
なんか会話が進んでる。
彼とお父さんが少し話しこんでる。
会話の中で、自分の年齢や、派遣である事、同棲してる事、私ふくめ3名一緒に住んでる事。
どんどん話してる。
お父さんは結構聞き上手。

しばしの会話が終わり、電話を彼女にもどし。

 ミュウ
 「ありがとうお父さん」
 「大好き」

幾らかの会話をして電話を切った。

緊張が途切れたのか、男子君は倒れるかのようにソファーで伸びてる。
わかる!
よっぽど緊張したんだろう。

しかし男子君に再度衝撃が走る!

 ミュウ
 「両親、明日会いに来るって」

 男子
 「えええええええええ!!!???」

飛び起きて再度緊張の彼 ャバイョ━━<(ll゚◇゚ll)>━━ッッ!!!!!

お父さんは凄く決断と行動力の早い方らしい。
彼女の性格はお父さん譲りなのね。

そして私にもお願いされる。

 ミュウ
 「もちろん小百合さんも一緒会ってくれますよね」

えええええええ!!!????
なんで私が ャバイョ━━<(ll゚◇゚ll)>━━ッッ!!!!!


続く。
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