2ntブログ

クライセックス

この話は俺の大好きだった近所のお姉ちゃんとの話し。

差別と言われるのが嫌だったから、今まで書かなかった。
でも忘れられない出来事だったから書いておきます。
もし読まれた方で差別と感じる方がいたら一報ください。
すぐ削除させていただきます。

子供の頃、お姉ちゃんが欲しかった俺は、憧れから近所のお姉ちゃんに甘えっぱなしだった。
お姉ちゃんには俺より一歳上の弟さんがいて、弟さんと遊ぶという名目で、よくお姉ちゃんに会いに行っていた。

当時、姉ちゃんは4歳年上で中学3年生。
俺は小学5年生。

姉ちゃんは明るくて活発で、学校のソフト部のエースで4番。
面倒見が良くて、俺が遊びに行くと弟さんと俺の事も良く見てくれた。
いっぱい遊んでもらったし、膝枕で耳掻きもしてもらった。

俺はいつも
「ああ・・姉ちゃんが本当の姉弟だったらなぁ・・」って考えていた。

お姉ちゃんの高校受験を控え、ご一家がお姉ちゃんの志望高校の近くに引っ越してから会えなくなる。
たぶんソフトボールの有名な学校に行けるように引っ越したんだろう。
俺の頭の中に当時のお姉ちゃんの面影だけが残っていた。

再会

姉ちゃんと最後にあってから10数年の月日が流れ、街中でお姉ちゃんと偶然の再会をしたんだ。

俺は高校卒業してから田舎を出てはUターンを繰り返していた。

何歳の頃だったろうか。
25才前後だったと思う。

帰省の際、実家の近くのショットバーに行きました。

カウンターに座りショットをちびちび。

久しぶりの帰省で友達もなく、バーのマスターも一見さんに話しかけてくる様子はなかった。

実家にいても暇なので一人寂しくちびちび。
お店の音声が消されたテレビを見ながらちびちび。

そんな時だった。

「隣いいですか?」

女性の声とともに誰かが座ったんだ。

「えっ?」
俺以外お客の居ないこの店で俺の隣?

女性はマスターに「おっす!」と挨拶し、「マスターいつもの」と注文を入れた。
常連さんの様子。

もしかして俺は常連さんの指定席に座ってたのかな?

恐縮しながら顔を拝見。

あっ!!
姉ちゃん!

びっくりと久しぶりの感覚が入り混じり言葉を失っている俺。
彼女の顔をじっと眺めていた。

すると姉ちゃんから
「こんばんわ」
「良かったらお話相手になってね」(^v^)
とお誘いいただいたのだった。

もう一つびっくりさせる事があった。

久しぶりに会った姉ちゃんの顔は半分ゆがんで、変形していた。

どうしたんだろう・・・
言葉を失っている俺に姉ちゃんが語りかける。

姉ちゃん
「びっくりした?」
「変でしょ、私の顔」(^v^)

何も言えない俺に姉ちゃんは続けて説明してくれる。

姉ちゃん
「実は私ね、交通事故に会っちゃって、結構ひどい事故で生死の境をさ迷ったの」
「命は助かったけど右半身不随の手前で、障害が残っちゃった」
「リハビリでなんとか普通の生活はできるようになったけど顔の半分はマヒが残っちゃった」
「やっぱ顔怖いでしょ」(^v^)

お姉ちゃんの話を要約すると、その昔友人の運転する車でドライブ中に事故に会ったらしい。
単独事故で、雨の日にコーナーを曲がり切れず車の側部から電柱に激突。
車は半分に折れ、後部座席のお姉ちゃんは車と一緒に電柱にぶつかったらしい。
幸い死者はいなかったが、お姉ちゃんのは意識不明の重体で、気が付いたら病院のベットの上。
全身包帯ぐるぐる巻きの状態だったらしい。
包帯が取れた後も、右半身がほとんど動かず、顔面も右半分マヒが残った。
リハビリのおかげで歩けるまでになったが、もう昔の様には動かないそうな。

お姉ちゃんは話し続ける。
話を聞いてくれる俺に、とても嬉しそうに話し続ける。

お姉ちゃん
「昔この辺に住んでいたらしいんだ」
「ソフトボールで有名だったらしいんだ」
「弟が居る」

全部俺の知っている事。

このショットバーは従兄がやっていて、毎日2杯だけ飲ましてくれるから来るんだとか。
お姉ちゃんは事故後、親戚の家にお世話になっている。

実家は弟さんのお嫁さんに怖がられるので、親戚の家にお邪魔している。

色々話している中、お姉ちゃんが笑顔で言った言葉が今でも記憶に残っている。
「生きていれるだけで幸せ」

俺は大好きだった彼女の話を聞いてあげるしかできなかった。
そして俺の事は一切話さなかった。

悲しい事にお姉ちゃんは事故前の記憶をあまり覚えていないそうだ。
だから当然子供の頃の俺なんか覚えていないだろう。

それよりも年頃の女性が、年の近い男性とお話できる事が嬉しそう。
今日はお姉ちゃんの話をゆっくり聞いてあげたい。
俺の事は黙っている事にした。

話は続き、飲ましてもらえるお酒も2杯を過ぎた。
お姉ちゃんがマスターにお願いしている。

お姉ちゃん
「ねぇ、今日は気分がいいんだ」
「お願い、もう一杯ちょうだい」

マスター
「ダメ、ここからは有料」

お姉ちゃん
「ちぇっ、ケチ・・」

そして俺を見てきた。

偶然財布には8万ほどある。
大好きだったお姉ちゃんに何かしてあげたい。
もちろん遠慮なくおごる。

「好きな物を飲んでよ」
「何杯でも飲んでいいよ」

お姉ちゃん
「やったー!」

お姉ちゃんは凄く嬉しそう。
マスターはヤレヤレという感じで見ていた。

どんなに飲んでも2万も行かない。
彼女が喜んでくれる事が俺には嬉しい。
そう思っていた。

楽しく飲んでほどなく時間も過ぎた。

俺もお姉ちゃんも良い感じで酔っていた。

話もひと段落ついた頃。
突然カウンターの下で彼女が俺の太ももをさすってきたんだ。

「えっ?」

びっくりした俺を見ながらお姉ちゃんは笑顔でいる。
どうしていいか分からない俺。

お姉ちゃんの手は軌道を変え、俺の股間にスルリと差し込まれ、俺の愚息をズボンの上からさすってくる。
明らかに誘っている。

まがいなりにも大好きだったお姉ちゃん。
断る事は失礼にあたる。
でもどうしよう・・
正直、障害を持っている女性を性の餌食にしていいのか・・

そんな事を考えながら、その時できた事は彼女の手を取り、握ってあげる事だった。

彼女は嬉しそうな顔で俺の手を強く握り返してきた。
カウンターの下では既に男女の暗黙の確信が出来上がっていたのだった。

そしてマスターが用事で奥のキッチンに消えた瞬間。

突然彼女から俺に抱きついてきて激しいキス!
ブチューからレロレロレロレロ・・・
激しすぎて息ができない。
どうしよう・・
やっちまった。

彼女は完全に没頭して離れる気配はない。
俺の中に何か激しい葛藤があった。

「ウォッホン!」

戻ってきたマスターの咳ばらいで彼女は正気に戻り、俺から離れる。

お姉ちゃんの顔は恥ずかしそう。
でもなんだか嬉しそう。

えーい!
俺も男だ。
女性からの誘いは断らないのが男の定め!
覚悟を決めて、またカウンターの下で彼女の手を握った。
お姉ちゃんのも嬉しそうな顔を続けている。
このまま連れ出そう。
マスターに会計をお願いしたのだった。

2万くらい払ったか。
お姉ちゃんの手を引き店を出た。
マスターはヤレヤレという顔で見送る。

タクシーを拾い近くのラブホへ。

お姉ちゃんが小さな声で呟いた。
お姉ちゃん
「こんなの久しぶり」
「嬉しい」

わずかな時間だったがタクシーの中でずっと手を握り合いながら・・

俺はこの時でも本当は悩んでいたんだった。

続く。
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