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コンビニの店長を好きになり、その3・・主人公ジョルト

俺の名は除留人(ジョルト)
響きは良いと思ってる。
だけど・・なんか外国風だ。

親はなんでこんな変な名前付けたのか?
昔聞いてみた事ある。
答えは「大きくなれば分かる」だったけど・・
まぁいいや。

中学校に行けばサイヤとかジオンとか。
キラキラネームな仲間はいっぱい居るし。
俺の名前も悪くは無いと思う。
ジョルト
う~ん、良い響きだ。

ある朝親父に問いかけられる。
親父
 「おいジョルト」
 「まだ見えないか?」

はぁ?
何の事?

親父
 「いや、それなら良いんだ」
 「何かあったら何時でも言ってくれ」

朝から何ボケたこと言ってんだろ。
親父の事など気にせず今日も学校に遊びに行く。
勉強は人並みに苦手です。

帰りはいつものあのコンビニ。
店長の笑顔に癒されに。
これが俺の毎日。

中学生の小遣いじゃコンビニで買えるの限られてる。
毎日ブラックダンサーっていうお菓子ばっか。
それが少し恥ずかしい・・
でも店長の顔見る為なら、少しくらいの恥ずかしさも我慢、我慢。

今日もいつものブラックダンサー30円を持ってレジに。
いたいた!
いつも大体この時間。
夕方のお客様が増える頃に店長は仕事してる。
テキパキしてて、笑顔が可愛くて、明るくて・・
声がどことなくアニメ。

最近、店長も俺の事を意識してくれたみたいで、店内で俺の顔を見かけると挨拶してくれる。
 「あっ、こんにちわ、いらっしゃいませ」
月並みだけど、声を掛けてもらえるだけで天にも昇る気持ちだ。

そして今日はいつもと違う出来事が起きた。

レジでお釣りを受け取る。
いつも通り俺の手に店長の手が添えられて・・
ああ・・柔らかい手・・幸せ・・
悦に浸る俺に始めて店長が話しかけてくれた。
 「君は近くの中学校?」
 「ブラックダンサーが好きなんだね」
 「いつもありがとう」(^∇^)

えっ・・えっ・・えっ・・
店長が俺にプライベートな会話を・・
えっ・・えっ・・えーーー

やべぇ・・
心臓がバクバクしてる。
止まらない。
落ち着け俺。

 「えっ・・あっ・・ひゃい(はい)」
 「あ・・あの中学で3年生をやらさせてもらってます」
 「ジョルトといいます」
 「中学3年生です」

しまった。
緊張しすぎてカミカミ。
しかも変な敬語。
聞かれてないのに自己紹介。
中3を二回もアピッてしまった。

どうしよう・・笑われるかも・・

店長
 「ジョルト君って言うの?」
 「かっこいい名前ね」
  クスッ((^∀^*))

あああ・・
やっぱり笑われた・・
でも店長の笑った顔が凄く可愛い!!
今までの中で一番!
やったぜ。
最高の笑顔Getだぜ!

心の中でガッツポーズ。

そうだ!
チャンスだ!
店長の名前を聞くチャンスだ!


 「あ・・あの・・店長さんのお名前は何て言うんですか?」

店長
 「ああ、私ね」
 「名札の通り、井上」


 「いや、あの・・下の名前」

店長
 「ああ、そうね」
 「マヤって言います」

マヤかぁ・・可愛い名前だぁ・・
店長と会話ができた。
嬉しい❤
そして名前も教えてもらった。
嬉しすぎ!
この場で心臓止まってもいい。

店も少し込んできて、店長を独占できる訳も無く。
後ろに並んだ客にレジを空ける。

俺は喜び・幸せ・頭の中がピンク色になって。
なんかポーっとしながら家路に向かった。

コンビニでの衝撃が忘れられない。
買ってきたブラックダンサーをかじりながら店長を思い出して。
マヤさんって言うのかぁ・・
良い名前だぁ・・

想像にふけっていると、ふと気がついた。
茶の間のテーブルに座ってる俺の前に、鉛筆が転がってる。
あれ?
さっきまで何も無かった気がしたのに。
まぁ、いっか。

それより、もっとコンビニに行ける様になりたい。
もう少しお小遣いが欲しい。
そしたら一日2回は行ける。

そうだ!
親父が朝言ってたな。
 「何かあったら何時でも言ってくれ」って。
親父様にお小遣い交渉。
お願い叶えて下さい。

親父が帰宅。


 「親父様、今日は少しお願いが有りまして!」
 「実は昨今の経済状況により、僕も何かと必要でして」
 「つきましてはお小遣いのUPなどをお願いしたく思います」

がはははは・・・(っ*^ ∇^*c)
親父が爆笑している。

親父
 「お前は小さい時から変わらんな」
 「下心がある時は変な敬語を使う」
 「大きくなっても可愛いな」

いやいやいや・・
話はそこじゃなくてお小遣いUP

親父
 「お小遣いUPか?」
 「良いぞ、その代わりUPが必要な理由を明確に述べよ」

でたよ。
親父は何時も何かと理由を聞いてくる。
俺が小さい時から。
そこでウソをついてもバレるし怒られる。
本当の事を言うと親身になってくれる。

少し恥ずかしいけど、ここは男同志。
本音で・・
言って良いのか・・
中学生の俺の立場で・・
ええい、迷うより親父を信じろ。


 「実は好きな人が出来まして・・」
 「その人に会う為には少し出費が必要で・・」

親父
 「ええ・・」
 「まぁ・・好きな人が出来たのは年頃だから良いとして」
 「なんで会うのにお金が必要なの?」


 「あの・・その・・」
 「その人はコンビニに働いてて・・」
 「顔見る為に買い物して・・」

親父にこんな話し聞かすだけでも恥ずかしい。
しかし親父はしっかり親身になって聞いてくれてる。
恥ずかしいけどこれまでの経緯を説明したのだった。

親父
 「分かった」
 「お前もそんな年齢になったか」
 「よし、明日からお小遣い倍増な」
 「その代わり勉強がんばれよ」

やったー!!
さすが親父。
いょっ、男前。

親父は怒ると怖いが真剣に親身になってくれる。
大好きだ。

これで良し。
明日からコンビニ2回行ける。

店長に2回会える。
マヤさんの笑顔が2回見れる。
嬉しいー❤

ドキドキワクワク。
今日の夜はどんな妄想しようかな❤

勉強の事は忘れてる俺でした。

続く。
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